おくりびと

古谷千佳子

2009年02月24日 00:19

月の満ち欠け、潮の満ち引きに合わせての、海人の仕事。それを中心に回る「海
辺の暮らし」。ここにいると、様々な「陰陽」の世界に立ち会う事が多い。

子だくさん=幸せという価値観が根付き、数多くの年中行事のたびに、赤ん坊や
子供と出会い、高齢化という現実のもとに、お元気だった人が逝ってしまった
り、、、、

「生」と「死」についても考えさせられる事が多い。

死んだ後も、旧盆には、この世に戻ってきて、親戚一同と共に過ごしたり、シー
ミー(清明祭)には、先祖祭りということで、門中単位で墓前に集まり、ピク
ニックのような事を行ったり、、、、あの世とこの世のつながりがあるのが沖
縄。

しかし、実際に、死んだ後の実務的な仕事に触れた事が無いので、どうやってご
遺体が焼かれ、お墓に入るのか、までを考えた事が無かった。


ご遺体を棺に納める「納棺師」。そんなお仕事があるのですね。

「おくりびと」米アカデミー賞受賞!おめでとう〜!!!

沖縄では、最近「海洋散骨」というのが、ちょっとしたブームの様で、新しいビ
ジネスが参入してきているようだ。


私は、沖縄の自然崇拝、、、あらゆる自然物に神が存在している、という信仰が
とても好きで、大変興味を持ち撮影を続けているのだが、、、、

私自身、土にでなく、海へ還りたいと思っている人間なのだが、、、、


住んだ事も無いけれど、憧れの地で、散骨?

散骨ビジネスの会社員が、代行で、散骨?

それが「自然に生まれ、自然に還るという生き方」に当てはまるのだろうか?
「すべて繋がっているのだから、どこで撒かれようと同じ事。
好きな場所から、地球に戻りたい。」もっともな考え方だ。

ただ、そこで生まれ育っている人達にとっては、どうなんだろうか?
「生きる」とは?「死ぬ」とは?
その人だけの問題ではない。


3−4年前に、そういった業者から「こういうビジネスでの写真撮影をお願いし
たい」と依頼されたときには、その他の仕事が忙しく、考える暇無しにお断りし
たことを思い出した。

今でも、ビジネスで関わることは無いけれど、、、、ちょっと、考えてみたい
テーマだ。


生まれる、育つ、育てる、夢を持つ、愛する、伝える、片付ける、逝く、自然に
還る、、、、

そんな基本的な事をしっかり考えてみたい。